プログラミングスクールに通いたいんですが、仕事は辞めて集中した方がいいんでしょうか?
ほとんどの場合、辞めなくて大丈夫ですね。働きながら受講する人を前提に作られているスクールが多いからです。
この記事では、プログラミングスクールのために仕事を辞めるべきかどうかを解説します。

現役エンジニアのZettoです。販売職から未経験でエンジニアに転職し、実務1年半でフリーランスとして独立しました。スクール受講も経験しています。
この記事を読めば、仕事を辞めるべきかの判断基準と、辞める場合の正しい進め方がわかります。
ぜひ参考にしてみてください。
プログラミングスクールのために仕事を辞める必要はあるか

まずは、いちばん気になる結論からお伝えします。
- ほとんどの人は在職中でも修了できる
- 時間が限られている方がむしろ集中できる
それぞれ解説します。
ほとんどの人は在職中でも修了できる

結論から言うと、スクールに通うために仕事を辞める必要は、ほとんどの人にはありません。というのも、多くのスクールは働きながら通う人を前提に設計されているからです。
週に15〜20時間ほど学習できれば、3〜6ヶ月でカリキュラムを終えられるスクールが多いですね。
1日あたりにすると2〜3時間ほど。平日の朝と夜、それに休日の数時間で十分に届く範囲かなと。
僕が通ったスクールにも、平日の夜と休日に通うコースがありました。仕事終わりに教室へ来る受講生も普通にいましたね。
「時間が取れないから辞めるしかない」と決める前に、在職中のまま進める道を一度試してみる価値はあります。
僕の周りを見ていても、働きながら通っていた人ほど淡々と続いていた印象です。生活リズムが崩れないのが大きいのかなと。
そもそもスクールに通うべきかどうかから迷っている方は、以下の記事で判断基準を解説しています。あわせて読んでみてください。

時間が限られている方がむしろ集中できる

意外に思われるかもしれませんが、時間に制約がある方が学習は進みやすいです。「この30分で何をやるか」がはっきりするので、迷っている時間が減るからですね。
実際に僕は、販売員を辞めてからスクールに通いました。1日中自由に使えたはずなのに、気づけば動画を見て終わる日もありました。
時間が無限にある感覚になると、人はどうしても後回しにしてしまいます。締め切りや制約が、集中力を支えてくれる面はあるかなと。
在職中の受講は、時間が足りないどころか、集中を保ちやすい環境だとも言えます。ここまでで「辞めなくてもいい」という土台は伝わったのではないでしょうか。
僕はあのダラけた3ヶ月を今でも少し悔やんでいます。あのとき仕事を続けていたら、貯金も気持ちも、もっと余裕があったはずなので。
仕事を辞めてスクールに通うときのリスク

退職を考えているなら、先に知っておきたいリスクが3つあります。
- 学費と生活費で100万円以上が消える
- 無収入の期間が想定より長引く
- 転職保証があっても内定は約束されない
順番に確認していきましょう。
学費と生活費で100万円以上が消える

退職して通う場合、いちばん重いのはお金の問題です。主要なプログラミングスクールの受講料は、おおよそ次のとおりです。
- 短期集中コース(2〜3ヶ月):30万〜60万円
- 転職保証コース(3〜6ヶ月):50万〜80万円
- 長期コース(6ヶ月〜1年):60万〜100万円以上
ここに、収入ゼロのままかかり続ける生活費が上乗せされます。家賃・食費・光熱費を合わせると、ひとり暮らしでも月15万〜20万円は見ておきたいところです。
3ヶ月通うとして、受講料60万円+生活費45万円で、合計105万円ほど。これが貯金から一気に減っていきます。
僕は受講料70万円を24回の分割払いで工面しました。当時は貯金もほとんどなく、毎月の引き落としがずっと頭にありました。
お金の不安は、そのまま学習の集中力を削っていきます。
通帳の残高を見るたびにため息が出ていました。正直、勉強どころではない日もありましたね。
無収入の期間が想定より長引く

退職を考えるとき、多くの人は「卒業したらすぐ転職できる」と見積もりがちです。ただ、卒業から内定までに数ヶ月かかるのは珍しいことではありません。
僕の場合、転職活動は約3ヶ月かかりました。応募は70社ほどで、面談まで進めたのは5社程度でしたね。
受講3ヶ月+転職活動3ヶ月なら、無収入の期間は半年になります。ここが延びると、生活費の計算はあっさり崩れます。
貯金が細ってくると「早く決めなきゃ」という焦りが出てきます。その焦りで条件の合わない会社を選んでしまうと、転職した意味が薄れてしまいます。
転職保証があっても内定は約束されない

「転職保証あり」と書かれていても、内定が出ることそのものを保証する仕組みではありません。保証を受けるための条件が細かく決められているケースが多いからです。
- 規定の学習時間・カリキュラムを修了していること
- ポートフォリオを完成させていること
- 一定数以上の企業に応募していること
- 年齢の上限がある場合もあること
条件を外れると保証の対象にならないこともあるので、契約前に確認しておくと安心ですね。
スクールを卒業しても転職に苦戦する人の共通点と対策は、以下の記事でまとめています。退職を考えている方こそ読んでおくと役に立ちます。

リスクは「お金」「期間」「内定の不確実さ」の3つに集約されます。ここを直視できるかどうかが判断の分かれ目です。
僕が一番しんどかったのは、通帳の残高が毎月減っていく感覚でした。学習内容よりそっちが気になる日もありましたね。
仕事を辞めてスクールに通っていい人の条件

一方で、退職を選んだ方が合理的な人もいます。
- 貯金が生活費6ヶ月分と受講料を上回っている
- 家族やパートナーの同意が取れている
- 最短でエンジニアになることを最優先している
ひとつずつ見ていきましょう。
貯金が生活費6ヶ月分と受講料を上回っている

お金の目安は、生活費6ヶ月分+受講料です。
生活費が月15万円なら6ヶ月で90万円。受講料60万円を足して、150万円がひとつのラインになります。
ここでは失業給付を使わない前提で計算しています。給付の有無は人によって変わるためですね。
ただ、150万円はあくまで最低限の数字です。転職活動が延びたり急な出費が出たりすることを考えると、200万円ほどあると気持ちに余裕が生まれます。
貯金が足りないまま辞めると、学習より生活の心配が前に出てきてしまいます。
家族やパートナーの同意が取れている

ひとりで決めていい話ではない、というのがここでのポイントです。収入が止まる期間は、家族やパートナーの生活にも直接影響します。
「半年は収入がない。その間の生活費はこう考えている」と、数字を出して共有しておくのが賢明です。
事前に話しておけば、学習で行き詰まったときに味方でいてもらえます。逆に黙って進めると、あとから関係がこじれる原因になりかねません。
最短でエンジニアになることを最優先している

時間を何より優先したい人にとっては、退職が有力な選択肢になります。
退職すれば、1日8〜10時間を学習に使えます。在職中は週15〜20時間が現実的な上限なので、差はかなり大きいですね。
在職中なら6ヶ月かかるカリキュラムを、2〜3ヶ月で終えられる計算になります。年齢的に早く動きたい場合や、今の職場が精神的に限界という場合は、時間を買う判断もありですね。
僕自身、退職後は「もう後がない」という気持ちが学習を続ける力になっていた面はあります。退路を断つことが効く人もいるかなと。
3つの条件がそろっているなら、退職して専念するのも十分に現実的な選択です。
僕的には、この3つのうち1つでも欠けているなら、いったん立ち止まった方がいいと思っています。お金と家族の話は、あとから取り返しがつきにくいので。
働きながらスクールを修了して転職する手順

在職中に進める場合の流れを、4つのSTEPで整理します。
- STEP1:学習時間を1日2時間つくる
- STEP2:在職中にポートフォリオを作る
- STEP3:在職中に転職活動を始める
- STEP4:内定をもらってから退職する
具体的に解説します。
STEP1:学習時間を1日2時間つくる

最初にやることは、生活のどこに学習時間を入れるかを決めることです。まとまった時間を探すのではなく、細切れの時間を積み上げるイメージですね。
平日は朝・昼・夜に分けて確保する

帰宅が20時の会社員なら、次のような組み立てが現実的です。
- 6:00〜7:00 朝の学習(1時間)
- 12:00〜12:30 昼休みの学習(30分)
- 22:00〜23:00 夜の学習(1時間)
合計で1日2時間30分。週5日続ければ、平日だけで12時間ほどになります。
なかでも朝の時間は効きます。脳が疲れていない状態なので、同じ1時間でも進む量が違ってきますね。
休日は家以外の場所で学習する

休日は、1日2時間を目安にプラスします。平日と合わせると週14時間ほどになり、多くのスクールを4〜6ヶ月で修了できるペースです。
場所はカフェや図書館など、家以外を選ぶのがおすすめです。家だとスマホやテレビに手が伸びやすいですからね。
通勤時間はインプット専用にする

移動中は手を動かせないので、読む・聴くに割り切ると効率がよくなります。
- 解説動画を視聴する(音声だけ聴くのもあり)
- スクールのテキストを読み返す
- 前日に学んだ内容を頭の中で復習する
- 技術ブログの記事を読む
コードを書く作業は帰宅後にまとめる。この分け方にすると、限られた時間が無駄になりません。
なお受講料については、国の教育訓練給付制度の対象講座なら費用の一部が戻ってくる場合があります。条件は雇用保険の加入期間などで変わるので、ハローワークで確認しておくと安心ですね。
僕は電車の中でひたすらProgateを触っていた時期があります。あの細切れの積み重ねが、あとから効いてきた実感がありますね。
働きながら通いやすいスクールの選び方は、以下の記事で解説しています。時間の作り方と合わせて読むとイメージしやすいかなと。

STEP2:在職中にポートフォリオを作る

カリキュラムと並行して、作品づくりを始めておくのが得策です。ポートフォリオ(自分で作ったアプリやサイトなどの成果物)は、未経験の書類選考で見られる部分だからです。
退職後にゼロから作り始めると、時間に追われて仕上がりが雑になりがちです。在職中の余裕があるうちに手をつけておくと違ってきます。
あわせて、GitHub(コードを公開・管理できるサービス)のアカウントも作っておくといいですね。
作り方の手順やテーマの決め方は、以下の記事で詳しく解説しています。何を作ればいいか迷っている方はどうぞ。

STEP3:在職中に転職活動を始める

カリキュラムの終盤に差しかかったら、転職活動を並行して動かします。
在職中に応募を始めておけば、収入が続いたまま企業と話ができます。焦りがない状態で選べるので、条件の見極めもしやすくなります。
退職前にやっておきたいのは次の3つです。
- 転職エージェントに登録して求人の相場をつかむ
- 履歴書と職務経歴書の骨格を作っておく
- スクールの転職支援担当と面談を済ませておく
書類は一度作れば使い回せます。早めに形にしておくと、応募のスピードが上がります。
STEP4:内定をもらってから退職する

退職のタイミングは、内定が出たあとがいちばん安全です。
内定後に辞めれば、無収入の期間がほぼゼロになります。生活の不安がない分、入社までの時間も学習に使えますね。
もし転職活動が長引いても、収入がある限り妥協せずに続けられます。この安心感は思っている以上に大きいです。
在職中に学習と転職活動を進めて、内定をもらってから辞める。この順番なら、失うものを最小限にできます。
この順番を知っていたら、僕はたぶん辞めずに始めていました。今から動く方が有利という点では、正直うらやましいくらいです。
スクール選びで迷っている方は、以下の記事で各社の特徴を比較しています。自分の状況に合う1社を見つける参考にしてみてください。

仕事を辞めずにエンジニア転職を目指す進め方

ここまで、退職の判断基準と在職中に進める手順をお伝えしてきました。最後に要点を振り返ります。押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 多くのスクールは働きながら修了できる設計になっている
- 退職の負担は受講料と生活費で100万円を超えることが多い
- 辞めていいのは貯金・家族の同意・時間優先の3条件がそろう人
- 朝・昼・夜と通勤時間を使えば週14時間の学習は確保できる
- 退職するなら内定が出てからにするとリスクが小さい
僕は販売員を辞めてからスクールに通い、結果としてエンジニアになれました。ただ、貯金はかなり減りましたし、時間を持て余した時期もありました。
だからこそ、まずは在職中に始めてみてほしいなと。それで本当に回らなかったときに、退職を考えても遅くはありません。
辞めなくても通えるんですね。まずは時間の使い方から見直してみます。
その順番がいいと思いますね。朝の1時間だけでも動かしてみると、続けられるかどうかの感触がつかめますからね。
学習の進め方そのものに迷いがある方は、未経験からエンジニアを目指す道のりをまとめた以下の記事も参考になります。

