ITエンジニアってきついって聞くけど、実際どうなんでしょうか?
きつい面は確かにありますが、フェーズごとに「何がきついか」が変わるんですよね。そこを理解しておけば、適切な対処ができますよ。
この記事では、ITエンジニアがきついと言われる理由と、その乗り越え方を解説します。

本記事の専門性
現役エンジニアのZettoです。販売職から未経験でエンジニアに転職し、現在6年目。会社員・SES・フリーランスを経験してきた立場から、各フェーズのリアルをお伝えします。
この記事を読めば、ITエンジニアのきつさの本質・フェーズ別の具体的な原因・そして乗り越えた先にある世界がわかります。
ぜひ参考にしてみてください。
ITエンジニアがきついと言われる背景

ITエンジニアには「きつい・厳しい・帰れない」という、いわゆる「新3K」のイメージが世間一般ではまだ残っています。
- 学び続ける必要があるから
- 現場ごとに環境差が大きいから
- AI時代で求められるレベルが上がっているから
それぞれ解説します。
学び続ける必要があるから
ITエンジニアのきつさで真っ先に挙がるのが、「学習が終わらない」という点です。
プログラミング言語・フレームワーク・クラウド技術など、IT業界は変化のスピードが速いです。数年前に主流だった技術が、気づけば古くなっていることも珍しくありません。
他の職種と比べると、「資格を一つ取ればOK」という世界ではなく、常にアップデートし続ける姿勢が求められます。
これは裏を返せば、学ぶことが好きな人にとってはずっと楽しい世界でもあります。
現場ごとに環境差が大きいから
ITエンジニアは、同じ職種でも現場によって働き方が大きく変わります。
残業がほぼない現場もあれば、納期前に毎日深夜まで働く現場もある。フルリモート可な現場もあれば、毎日出社必須の現場もある。これが同じ「エンジニア」という職種の中で起きているんですよね。
レバテックキャリアのデータでは、システムエンジニアの月間平均残業時間は約21時間(1日あたり約1時間)と特別に高い数値ではありません。ただ、現場ガチャと呼ばれるほどなので、個人差・現場差が激しい職種でもあります。
AI時代で求められるレベルが上がっているから
近年、GitHub CopilotやChatGPTなどのAIツールが急速に普及したことで、エンジニアに求められるスキルのハードルが上がってきています。
「コードを書ける」だけでは差別化しにくくなり、「AIを使いこなして設計・改善できる」レベルが求められるようになってきているのが実態です。
これは新人エンジニアにとって特に大きなプレッシャーになりがちですね。
きつさの「背景」を知るだけで、漠然とした不安がだいぶ整理されます。「何がきついのか」を言語化できると、対処法も見えてきますよ。
ITエンジニアがきついと感じる7つの理由【フェーズ別】

きつさはエンジニアとしての成長フェーズごとに変わります。
- 学習期:覚えることが多く挫折しやすい
- 会社員1〜2年目:先輩との実力差に圧倒される
- 納期前の残業・トラブル対応がしんどい
- コミュニケーション負担が想像以上に大きい
- SES特有のきつさ:希望の案件に入れない
- フリーランス転身期:スキル不足で詰まる
- AIを使えない現場に当たると成長が止まる
ひとつずつ見ていきましょう。
学習期:覚えることが多く挫折しやすい
プログラミングを学び始めた段階が、多くの人にとって最初の「きつい」ポイントです。
変数・条件分岐・繰り返し処理といった基礎だけでも、最初は意味がわからなくて当然です。僕自身、Progateでの独学中に「なぜこう書くのか」が全く理解できず、学習が止まった時期があります。
プログラミング学習の挫折率は高く、独学では特に「詰まった時に聞ける人がいない」という壁が大きいです。
エンジニアへの転職を考えている方向けに、学習の始め方をまとめた記事があります。ロードマップとあわせて確認してみてください。

会社員1〜2年目:先輩との実力差に圧倒される
入社してからの1〜2年目が、精神的に最もきつい時期かもしれないですね。
コードは読めるけどすらすら書けない。設計書の意味がわからない。先輩に質問するタイミングもわからない。こういった状況が重なって、「自分には向いていないのでは?」と感じやすい時期です。
僕がフリーランス転身後の2案件目で感じたのも、まさにこれでした。4日で組まれていた開発スケジュールに1ヶ月かかってしまい、「このままでは終わる」と危機感を持ったことを今でも覚えています。
ただ、この時期を乗り越えた先に確実に成長が待っています。きつさの原因が「まだ慣れていない」だけであれば、時間と行動で解決できます。
納期前の残業・トラブル対応がしんどい
エンジニアの仕事には「納期」がつきものです。
納期が近づくと作業量が増え、残業が発生しやすくなります。さらにリリース直前に予期しないバグが見つかると、夜中まで対応することもあります。これがいわゆる「デスマーチ」と呼ばれる状態です。
ただし、これが日常的に続くかどうかは現場次第です。計画性のある現場ではこういった状況が起きにくい。逆に、スケジュール管理が甘い現場では常態化するリスクがあります。
現場選びの眼力を養うことが、このきつさを避ける一番の対処法かなと。
コミュニケーション負担が想像以上に大きい
「エンジニアはパソコンに向かって黙々と働く」というイメージを持っている方も多いですが、実際はそんなことはありません。
クライアントとの要件定義・チームメンバーとの設計議論・テスト結果の報告など、コミュニケーションの機会は意外と多いです。特にSEやPMに近いポジションになるほど、会議の数が増えていきます。
コードよりも「人との調整」に疲れる、というのはエンジニアあるあるの悩みですね。
SES特有のきつさ:希望の案件に入れない
SES(システムエンジニアリングサービス)という働き方特有のきつさもあります。
SESとは、エンジニアを他社に常駐させる働き方のことです。自社ではなく、クライアント先の現場でシステム開発や運用を行います。
未経験で入社した場合、希望のWeb開発案件に入れず、サーバー監視や単純な保守作業だけをやり続けるケースが少なくありません。
僕の友人K君も、SES企業で2年間「開発がしたい」と言い続けたのに、ずっとサーバー監視のままだったそうです。
SESのきつさや向き合い方を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

フリーランス転身期:スキル不足で詰まる
会社員からフリーランスに転身するタイミングも、独特のきつさがあります。
フリーランスは案件を自分で獲得し、一定のアウトプットを出し続けることが求められます。会社員時代は先輩がフォローしてくれた部分を、自分で補わなければいけない場面が増えます。
僕がフリーランス2案件目で「4日の開発に1ヶ月かかった」という経験がまさにそれです。スキルが足りていない状態で案件に入ると、精神的なプレッシャーが一気に高まります。
AIを使えない現場に当たると成長が止まる
近年、多くのエンジニアがAIツールを活用して開発効率を上げています。ところが現場によっては、セキュリティの都合でAIツールの使用が禁止されていることもあります。
僕が今参画している現場もそうで、使えるのはアカウントログインなしのChatGPTのみです。Claude Codeなどは実務では一切使えていません。
AIを使えない現場でも成長はできますが、AI活用スキルが身につきにくいのは正直なところです。これからエンジニアになる方は、可能であればAIツールを使える現場を選ぶことも視野に入れておくといいかなと。
フェーズによってきつさの種類がまったく違うんですよね。「自分が今どのフェーズにいるか」を把握できると、対処法を考えやすくなります。
ITエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴

きつさを乗り越えられるかどうかは、「向いているかどうか」にも関係しています。
- 向いている人の特徴4つ
- 向いていない人の特徴3つ
- 「向いていない」と感じても続ければ変わる話
具体的に解説します。
向いている人の特徴4つ
エンジニアとして長く活躍している人に共通する特徴があります。以下の4つが代表的なものです。
- 調べることが苦にならない:エラーの原因をひたすら調べ続ける行動が自然にできる
- 論理的に考えることが好き:「なぜこうなるのか」を順序立てて考えることが楽しい
- 新しいことへの好奇心がある:技術トレンドへのアンテナを自然に張り続けられる
- 粘り強さがある:詰まっても諦めずに別のアプローチを試せる
僕自身、数学は得意ではありませんでしたが「負けず嫌い」という性格がエンジニアとして大きく作用していたと感じています。
向いていない人の特徴3つ
一方、エンジニアとして苦労しやすい傾向がある特徴も正直にお伝えします。
- 調べることを苦痛に感じる:わからないことに直面するたびに強いストレスを感じる
- 曖昧さへの耐性が低い:答えがすぐ出ない状況を長く続けられない
- 変化に強い抵抗がある:技術が変わるたびに一から学ぶことを苦行と感じる
ただしこれらは、「今の自分の状態」であって「永久に変わらない性質」ではありません。
「向いていない」と感じても続ければ変わる話
「自分はエンジニアに向いていない」と感じる時期は、ほとんどのエンジニアが経験します。
僕も最初は「なぜこんな単純なエラーで詰まるんだろう」と何度も落ち込みました。でも、プログラミングを始めて2年ほど経ったある日、コードが突然スラスラ読めるようになる感覚があったんです。「点と点が線になる」という感覚でした。
きつさの多くは「慣れていない」ことが原因です。慣れれば自然にできるようになることは、思っている以上に多いです。
「向いていないかも」と感じるタイミングって、実は成長しているサインだったりするんですよね。何もわからない状態から「何がわからないかがわかる」段階に来ているということなので。
エンジニアに向いている人の特徴についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて読んでみてください。

きついを乗り越えた先にあるエンジニアの世界

きつい面があるのは事実です。ただ、乗り越えた先の景色を知っておくことも大事かなと。
- 手取り17万から月単価61万になった年収推移
- 週1出社・月140時間稼働という働き方の自由
- AI時代に取り残されないための学習順序
- きつさを最短で乗り越える3つの行動
詳しく掘り下げていきます。
手取り17万から月単価61万になった年収推移
僕の年収の推移をお伝えします。
エンジニア1年目の会社員時代、年収は約280万円・手取りは17万円でした。そこからフリーランスに転身し、現在は月単価61万円(税込)で稼働しています。
大まかな年収推移は以下の通りです。
- エンジニア1年目(会社員):年収約280万円
- フリーランス1年目:年収約450万円(途中まで会社員)
- フリーランス2年目:年収約600万円
- フリーランス3〜4年目:年収約700万円
日本の平均年収は450万円ほどですよね。スキルと経験次第で、これを大きく超えることも可能です。
販売職時代に7年かけても超えられなかった年収の壁を、エンジニアになってから約2年で突破できたのは、今でも驚いています。
週1出社・月140時間稼働という働き方の自由
収入だけでなく、働き方の自由度も大きく変わりました。
現在の稼働スタイルは週1出社・フルリモート中心・月140〜150時間・残業ほぼなしです。会社員時代、上司からの残業強制やリモート禁止の環境に強いストレスを感じていた自分には、まるで別世界のような変化でした。
エンジニアとしてのスキルが上がれば上がるほど、働き方の選択肢が広がります。これはエンジニアになって本当によかったと思える点のひとつです。
AI時代に取り残されないための学習順序
近年のAI進化を見て「エンジニアの仕事はなくなるのでは?」と不安になる方もいますが、僕はそうでもないと思っています。
AIはコードを書いてくれますが、「何を作るか」「設計はどうするか」「AIの出力が正しいかを判断する」という意思決定はエンジニアが担当すべき分野かなと。AIを使いこなすにも、プログラミングの基礎知識が土台として必要です。
だからこそ、学習順序を間違えないことが重要です。
- 基礎(言語仕様・構文・データ構造)を徹底的に固める
- 動くものを作りながら理解を深める
- 基礎が身についた後でAIツールを補助として活用する
「最初からAIに全部作らせる」学習法は、基礎力がないまま進んでしまい、面接やエラー対応の場面で詰まる原因になります。
きつさを最短で乗り越える3つの行動
エンジニアのきつさを乗り越えるには、具体的な行動が大事です。以下の3つが、僕自身の経験から特に効果的だったものです。
- 資格を取る:Java Silverなどの資格勉強が基礎の穴を埋めてくれた。試験という締め切りが学習を加速させる
- コーディング問題を解く:PaizaのコーディングでAランクを目指すことで、ロジック力が大きく向上した
- 現場外でアウトプットを続ける:通勤時間・帰宅後のわずかな時間を学習に充てる習慣が、停滞感を突破するきっかけになった
スポーツで言えば、試合でいきなり勝てるようになるわけではなく、地道な素振りの積み重ねが実力になるイメージです。きつい時期は、その素振りをしている時間と割り切ることで乗り越えられます。
きつい時期って、振り返ると必ず「あの時があったから今がある」と思える時期になります。僕が手取り17万から月単価61万になれたのも、SES時代・フリーランス初期のきつさをくぐり抜けてきたからだと感じています。
フリーランスを目指す方向けに、転身ロードマップをまとめた記事もあります。参考にしてみてください。

ITエンジニアのきつさに関するよくある質問

よくある質問と回答をまとめました。
- Q1:未経験からでもITエンジニアになれますか?
- Q2:文系・数学が苦手でもエンジニアは務まりますか?
- Q3:AIが進化したらエンジニアの仕事はなくなりますか?
Q1:未経験からでもITエンジニアになれますか?
適切な順序を踏めば十分なれます。
僕自身が通信機器の販売職から、未経験でエンジニアに転職しましたし、僕の周りでも未経験から転職してきている方はたくさんいます。
未経験からの転職に必要なスキルについては以下の記事でまとめています。

Q2:文系・数学が苦手でもエンジニアは務まりますか?
十分務まります。僕は数学が得意ではありませんでしたが、実務で数学が必要になる場面はほぼありませんでした。
Webアプリケーション開発・業務システム開発では、複雑な数学知識より「論理的に物事を順番に考える力」の方が重要です。これは学習と実践の積み重ねで後天的に身につきます。
AIやデータサイエンス分野に進む場合は統計や数学の知識も関係してきますが、まずは一般的なWebエンジニアを目指すなら数学の苦手意識は大きな障害にはならないです。
Q3:AIが進化したらエンジニアの仕事はなくなりますか?
単純作業はなくなっていくと思います。逆にAIを使いこなせるエンジニアの需要は高まっています。
AIはコードの生成を補助してくれますが、「何を作るか」「どう設計するか」「AIの出力が正しいかを判断する」という判断軸は人間が持つ必要があります。コードを読めない・理解できないエンジニアは、AI時代でも通用しません。
「AI時代だからこそ基礎を理解したエンジニアが希少になり、市場価値が上がる」という逆説的な視点の方が、実態に近いと感じています。
ITエンジニアはきついが、乗り越える価値は大きい

ITエンジニアのきつさは確かに存在します。ただそれは、フェーズごとに異なる「一時的な壁」であることがほとんどです。
この記事で伝えたかったポイントをまとめます。
- きつさの背景には「学習の継続」「現場ガチャ」「AI時代のレベルアップ」がある
- フェーズごとにきつさの種類が変わるため、今どこにいるかを把握することが大事
- 向いていないと感じる時期は、成長途中のサインである場合が多い
- 乗り越えた先には収入・働き方の自由度という大きなリターンがある
きつさを知った上で「それでもやってみたい」と思えるなら、エンジニアとして活躍できる可能性は十分あります。
きつい理由がフェーズ別に整理されていてわかりやすかったです。乗り越えた先の話も聞けてよかったです。
きつさを「なんとなく怖い」で終わらせず、「今自分はどの壁にいるのか」と分析できるようになると、乗り越えやすくなりますよ。ぜひ前向きに踏み出してみてください。
エンジニアへの転身を考えている方は、まずスクール選びから始めるのが近道です。以下の記事でおすすめのプログラミングスクールを比較しています。参考にしてみてください。
