これからSierへの就職を考えてる人に読んでほしい、SIerに就職するなら覚悟しておいたほうが良いと個人的に思うことを綴ってみる

2019年11月3日

こんにちは、Kiyoです。

自分は新卒でSierに入社し、2年目の8月に現職のWeb系企業に転職しました。
たった1年半ほどとはいえ、Sierでの経験が現職で生きている部分もありますし、勉強になった事も多かったですが、SIerでの1年半は本当に大変でした。

今日は、自分のSierでの体験をもとに、Sierへの就職を考えている学生さん、IT業界への転職を考えている方に向けて

「Sierに務めるなら覚悟しておいた方が良いと個人的に思うこと」

をお伝えできればと思います。

もちろん、自分は1年半で辞めていますので、Sierに長期間勤めていた人間の目線では無いという事、またあくまでも個人的な体験を基にした意見である点をご留意頂ければと思います。

是非、これからSierに就職を考えている方の参考になれば何より幸いです。

前提

筆者経歴

  • 筆者は私立理系大学の情報系学科卒業(プログラムやWeb開発の基礎知識はある)
  • 成績は中の上

新卒で入社したSierのスペック

  • 独立系大手(7000人規模)
  • 全国展開
  • 東証一部上場企業
  • 新卒を300〜800人単位で採用する
  • 離職率が高いと噂される
  • 業界地図に乗るぐらいの知名度
  • 自社プロダクトや請負開発も行う
  • SES案件も当然ある

SIerに入社するなら覚悟しておいたほうが良いと思うこと

客先常駐

まず、なにより覚悟すべきはSierに就職した人の殆どは客先常駐になるという事です。
(もちろん会社に依るかと思います)

会社説明会で、「客先常駐の割合は社員の半数ほどです。」などと説明する事もあるようですが、それは人事などの自社勤務の社員を加味した割合ですので、技術職へ就職したらほぼ客先常駐だと思いましょう。仮に始めの現場が自社開発案件でも、中長期的には客先常駐案件にアサインされると思います。

客先常駐になるということは、新卒研修で仲良くなった同期とも離れ、先輩社員数名ないしは一人きりで客先の別の会社で働く事になります。

また、それも数年単位で別のプロジェクトになるでしょうから、数年単位で色々な会社や現場を転々とすることになるでしょう。
つまり、環境の変化が多いことを覚悟しなくてはいけないという事になります。
仮に通勤時間を短縮しようと職場の近くに住もうとしても、来月には別のプロジェクトの別の勤務先にアサインされるかもしれません。
会社の都合で色々な勤務先で働かなくてはいけません。

こういった事をストレスだと感じたり、ネガティブに感じてしまうようなら、少なくとも客先常駐型のSierへの就職は考えたほうが良いかもしれません。

逆に、色々な客先や案件に携われるという事は、色々な技術に触れられる可能性もありますが、数年で案件を転々とすることになるので技術の深堀りはできず、知識は広く浅い知識が構成される事になるかと思います。
これを是と捉えるか非と捉えるかは人次第かと思います。

SES

これは3次受け以下のSierの話だろうと思う方も居るかもしれませんが、自分の就職したような大手のSierでも元請け案件ではなく、SES案件は多々ありました。
自分はネットワーク系の外資系企業にSESで働いていました。

SESは本当に人により向き不向きがあるかと思います。

自分がSESでストレスだと感じた点は、まず1つ目に自分の単価が80万円/月であったにも関わらず、自分の給料が22万円だったことへの不満がストレスでした(給料が低い)。
(新卒に単価は本来知らされないのですが、自分はプロパーさんに教えてもらってたまたま知ることができました。)

ふたつめに、やはり客先常駐ではお客さん(ベンダー)と派遣される(プロパー)社員感での差別が少なからず存在する事です。
例えば、ベンダーとプロパー社員で就業スペースが明確に分離されます。
プロパー社員からはベンダー社員が働く場所は「隔離病棟」と呼ばれ馬鹿にされ、プロパー社員のベンダー社員を見る目もどことなく馬鹿にしたような感じでした。
(被害妄想の可能性もありますが)
もちろん、こういった事のない客先もあるでしょうが、こういった現場がある以上覚悟は必要かと思います。

3つ目に、プロパー社員さんと同じ仕事をしていても、プロパー社員さんの給与水準の方が高いわけです。
同じ仕事をしているのに、貰う給料が違う状況でモチベーションを維持できるでしょうか?

4つ目に、案件が変わるごとに業務知識を全て勉強し直さなければいけないという事です。
ネットワークの会社ならネットワーク、金融系なら金融の業務知識を、その会社のローカルルールに馴染んで、また次の会社…
想像するだけで疲れますし、自分はしんどく感じました。

これらのような事を考えた上でなおモチベーションを維持できるのであれば、SESでも大丈夫かと思います。
私は相当精神的に辛かったです。

客先ガチャ・案件ガチャ

Sierに就職するなら、常に客先ガチャや案件ガチャとなります。

客先や案件ごとに就業時間(フレックスや固定時間勤務)や勤務体系(昼勤、夜勤、シフト制)、残業の多さや勤務地など全て変化します。

例え自社の就業規則がフレックスタイム制を採用していても、お客様先が9時〜18時勤務ならそれに合わせ、お客様先が夜勤なら夜勤もしますし、シフト制の現場に行った同期もいました。
また、残業の多さや帰りやすさ、敷いては勤務地も全て運任せです。自分で選択する事はほぼ出来ないと考えたほうが良いでしょう。

自分は土日休みの昼勤務という条件は絶対譲れなかったので、案件や客先によって勤務体系がコロコロ変わるのは嫌だと感じました。

簡単でスキルにならないタスクばかりのSES案件

これは結構界隈で騒がれる事なのですが、SES案件の多くは

「単純作業でスキルにならない」

案件が多いと感じました。
個人的な体感だけではなく、同期の話を聞く限りそういった感じでした。

請負案件の場合はその限りで無いのかもしれませんが。

同期から聞いた酷い案件を紹介すると、

  • 一人きりでパイプ椅子とダンボール机でサーバールームに閉じ込められ保守
  • 4人日かけてお客様の会議用資料の印刷作業(紙の補充とホッチキス)
  • テスト工程のみの案件
  • 資料作成のみの案件
  • 夜勤あり、シフト制勤務の保守案件

では、何故SESではスキルにならない単純作業が多くなるのでしょうか。

それは、SESの発注側の気持ちになればわかります。

そもそも作業を外注に出す理由は、「自社の社員に任せる程では無いけど必要な作業だから外注する」という事です。

もちろん専門的な技術力を買われて請け負う場合もあるんでしょうが、スキルの無い新人には簡単な案件しか回ってきません。

はたして、これらの作業を何年続ければ自分の市場価値は上がるのでしょうか。こういった事を考えたとき、自分は危機感を覚えました。

自分は比較的技術よりの客先かつ現場だったのでネットワークの知識や仮想化技術、PythonやJavaなど色々な技術に触れることが出来ましたが、恐らくかなり恵まれていたほうだと思います。

お客様とのコミュニケーションが必要になる

Sierは基本的にお客様商売なので、当然お客さんと関わることになります。
PMにもなれば、案件の調整をお客さんとして怒られたりすることも多々あるかと思います。

どんな職業でも最低限のコミュニケーション能力は必要でしょうが、お客さんと蜜に接することになるコミュニケーション能力を高く求められる職業であることは留意しておくべきでしょう。

Sierに入社して役に立ったと感じること

さて、これまでSierに入るなら覚悟しておいた方が良いと感じたことを紹介しましたが、全体的にネガティブ気味な内容になってしまいました。

そこで最後にSierに入社して役に立ったと感じたことを紹介してこの記事を終わろうかと思います。

案件にアサインされるまでは自社でプログラミングやネットワークの自習ができた

これは自分の会社だけなのかも知れませんが、実際に案件にアサインされるまでの1,2ヶ月は自社の自席でプログラミングやネットワークの勉強をさせて貰えました。
(まぁ、JavaやPythonやCCNAやLinuxの勉強をさせて、少しでも単価の高い案件にSESで売るためだったんでしょうが)
ここでの技術的なスキルは今でも役に立っていると感じています。

ただ、会社によっては案件にアサインされるまで自社で雑用をやらされたり、給料を減らされたりするような会社もあるらしいので注意は必要ですし、必ずしもSier全てで享受できるメリットでないことを留意してください。

会社員マナーを学ぶことができた

Sierはお客様商売なので、マナー研修は少し厳しかったです。

厳しかったですが、その分どの会社でも通用するマナーを体得できました。

社会人マナーなんて言うと

「社畜乙www」

とかバカにする人もいますが、礼儀正しい振る舞いが周りの人を不快にすることはあまり無いはずです。

仮に転職した先でも最低限のマナーが出来る人とできない人では大きな違いに映るはずです。

ホウレンソウの大切さを仕事から学ぶことができた

SESだろうが客先常駐だろうが、仕事は仕事です。
タスクの大小に関わらずホウレンソウを適当にするとミスったときのリカバリーが大変です。

自分はSierのとき、20人日くらいのやや大きな開発案件を任せて貰ったのですが、ホウレンソウを蔑ろにしていたが為に、作業終盤で大きな仕様の間違いに気づき、大幅な修正を求められたことがありました。
この失敗から、ホウレンソウを頻繁に行い、作業の手戻りを少なくする事の大切さを学びました。

なので、基本的な社会人の仕事の仕方として重要なホウレンソウを学べることはメリットの1つだとも思います。

最後に

如何だったでしょうか。

今回は自分がSierでの体験を基に、これからSierへの就職を考える人に宛てて「Sierに就職するなら覚悟しておいた方がいいと感じること」を紹介しました。

重ねてお伝えしますが、以上の事はあくまも個人的な体験に基づく個人的な意見ですので、全てのSierに当てはまり、参考になるものでは無いことを重ねて申し上げます。

ですが、是非1つの意見として何かしらの参考になれば何より幸いであります。